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山本 崇裕; 伊藤 主税; 前田 茂貴; 伊東 秀明; 関根 隆
JAEA-Technology 2017-036, 41 Pages, 2018/02
高速実験炉「常陽」では、復旧措置の一環として、平成26年5月に旧炉心上部機構を撤去し、キャスクに収納した。旧炉心上部機構は、「常陽」建設時より30年以上使用された機器であり、高い表面線量率を有する。炉心上部機構交換作業用設備の合理的かつ安全な設計・製作・運用に資するため、「常陽」では、原子炉容器内の線量率測定を実施し、C/E補正する手法を導入することで、旧炉心上部機構の表面線量率の最適化を図った。本研究では、当該評価手法が妥当であったことを検証するため、プラスチックシンチレーション光ファイバ(PSF)検出器を用いて、旧炉心上部機構を収納したキャスクの軸方向線の検出器応答分布を測定し、計算値と比較した。その結果、(1)軸方向線の検出器応答分布は、キャスクの形状に応じたピークを有し、その位置は、計算値と測定値で一致した。(2)軸方向線の検出器応答分布のC/Eは、1.11.7であった。なお、旧炉心上部機構の表面線量率の最適化においては、原子炉容器内の線量率測定結果の反映する際に、保守性を確保したものとしている。以上より、「常陽」旧炉心上部機構の表面線量率評価に用いた手法は、十分な信頼性を有することが確認できた。